反芻思考の悪影響とその改善方法

反芻思考の悪影響とその改善方法

 

目次

  1. 反芻思考とは
  2. 反芻思考の悪影響
  3. 反芻思考を辞める10の方法
  4. 反芻思考してしまう人へおすすめの本

1.反芻思考とは

「反芻思考」とは、何度もネガティブな出来事を思い出し、悩み続けて抑うつ気分を増長させる考え方のことをいいます。誰でもネガティブな気持ちになることはありますが、「反芻思考」の問題は、未来や過去の嫌な出来事など、いくら考えても仕方のないネガティブな感情を、ずっと頭の中でぐるぐる繰り返すことです。この「反芻思考」が続くと、気分は落ち込み、うつ病の原因になるとも言われています。

2.反芻思考の悪影響

自分がコントロールできないことや、過去の過ぎ去った出来事について、延々と思い悩んでも、何も解決しないどころか、時間とエネルギーを浪費するだけです。例えば、あなたが人間関係で悩んでいるとき、勉強や仕事を手につけようと思っても、なかなか集中することができないという経験はありませんか?これは、その「反芻思考」が、不安感や鬱症状の増大、集中力・注意力の低下などをもたらし、目の前の仕事や勉強に向き合うことができず、脳の処理の一部を反芻思考によって奪われているからなのです。

また、ネガティブな反芻をしがちな人は落ちこみやすく、ストレスに対して抵抗力が弱い傾向があります。生きていく上で反省は時に必要ですが、「なんであんなことをしてしまったのだろう」、「あの時もっとこうしておけば良かった」、「自分はなんてダメな人間なのだろう」など、必要以上に考えすぎることが有害であることは、過去数十年の間に多数の研究が証明してきました。先ほども述べた通り、ネガティブに偏った考え方は、逆に問題を解決する能力や意欲、集中力といった能力が低下してしまい、不安障害やうつ病を発症する恐れさえあります。また、くよくよと繰り返し考えすぎる習慣は、幸せの邪魔となります。反芻が習慣になっている人にとって、幸せに向かって進むための第一歩は、この習慣を止めること。自分がネガティブなことを繰り返し考えたり、反芻思考をしていることに気付いたら、ブレーキをかけましょう。

幸福な人は、暗い考えや不安から自分の意識を逸らす能力を身に付けています。幸福な人は、辛い出来事が起こらないから幸福なのではありません、辛い状況にあっても、暗い考えや不安にとらわれないようにしているのです。

一方で「最も不幸せ」とされる人たちは、辛い経験や自分の良くない面についてくよくよ考えがちで、そのせいで集中できず、日々の生活に支障をきたしてしまうこともあります。

3.反芻思考を辞める10の方法

①記憶を遮断する・注意をそらす

「ネガティブなことを繰り返し考えているな」と気が付いたら、「ストップ!」とか「だめ!」と心の中で自分に言い聞かせたり、実際に口にしたりして、自分の反芻思考にダメ出しをします。そうしてネガティブ思考を止めて、その時目の前にあることや、その時必要なことに集中しましょう。また、反芻思考から意識をそらせるくらい、集中できる趣味を持つことも有効です。例えば、ゲームをする、自分のお気に入りのYouTube動画を見る、好きな本を読む、体を動かすなど、今あなたを悩ませていること以外の何かに注意をそらします。反芻思考から意識を遠ざける物を持つのも効果的です。例えば、家族や仲の良い友人と、旅行に行った時の写真や、かわいい動物の写真など、一瞬で自分の気分を上げてくれるものを、スマホに保存しておいたり、手帳に挟んでおいたりと、反芻思考に気が付いた時に、何でも良いから別のことを思い出せるような物をいつでも見られるように手元に持っておくのです。こういった方法は、たった1分間でも気を紛らわす効果があります。

②過ぎたことは忘れ、ポジティブに捉えなおす
当たり前ですが、過去の事実はくよくよ考えても変えられませんし、考えるだけ時間も労力も無駄です。もしくは、ポジティブに捉えなおしましょう。「この経験は、今は辛いけれども、時間が経てばきっと自分の糧になる」など前向きに考え、まずは、「もしあのようにしていたら・・」「あのときああしていれば」といった思考をやめましょう。そして、「次回はこうしよう」「次回はこういうふうに言おう」といった「今後の課題」をポジティブに設定し、過去のことをくよくよ考えるのはやめましょう。

若いうちは自分の失敗をよく覚えているから、人の目が気になるかもしれませんが、ほとんどの人は意外とそんなに人の失敗を気にしていないものです。思い出して辛くなるようなことは、どんどん忘れていいのです。もし、人の過去の失敗ばかりをよく覚えていて、指摘するようなネガティブ思考で、人の不幸が大好きな人が周りにいるとすれば、距離を置きましょう。

③暗いニュース、情報など見ない、聞かないようにする

世の中のほとんどのニュースは、自分の人生には関係なく、無視していいものばかりです。もちろん世には、伝えるべき大切なニュースもありますが、当事者以外にとってはどうでもいいネガティブなニュース、悲惨なニュースも多く流れています。それらすべてをまともに受け取っていると、ストレス過多になり、悪い方向に流されやすくなるのです。ある実験では、意図的にネガティブなニュースを流すと、被験者の半数程度はネガティブに引っ張られることもわかりました。ネガティブなニュースに触れるだけで、約50%の人がそれに引っ張られて「ネガティブな人」になる可能性があるということです。何か不安なことがある人や、そもそもネガティブな傾向のある人は、悪いニュースを流すメディアやネットから距離を置くようにしましょう。ネガティブな情報を遮断するだけでも、かなり不安感は晴れ、気分が好転します。

④運動をする

自分の体力を奪っている反芻思考。ただでさえ、反芻思考で疲れている頭を使って、繰り返す思考をコントロールするのは、とても難しいことです。なので、頭を使って反芻思考を止めようとするより、身体を使った運動をするほうが効果的なことが多いです。

人間は、頭でストレスを強く感じることや、嫌だったことを反芻するだけで、「副腎(ふくじん)」と言われる、ストレスホルモンと関わりの深い器官が刺激され、体内でストレスホルモンが分泌されることが分かっています。その副腎に、「体のバランスを取るのに使う脳のエリア」が影響を与えていることが分かっています。そのため、バランスを取るのに必要な筋肉を鍛えたり、バランス感覚が必要な運動(ヨガ、ダンス、バランスボール、ボルタリング等)をすることで、ストレスに強いメンタルが養われるようです。運動中は意識も体に集中するので、余計なことを思い出さず気分をリフレッシュするのに特におすすめです。反芻思考だけでなく、ストレス、疲労感気分の沈み込みなどの様々な問題が運動でよくなることはとても多いようです。激しい運動でなくとも、部屋を掃除したり、軽く運動した後に風呂に入るだけでも十分効果があります。

⑤新しい人に出会う

日常生活において、新しい人との出会い、新しい学び、新しい経験などを定期的に取り入れることは、不安やストレスに悩まない人が心掛けている習慣です。新しい出会いや学びは普段の生活では得られないさまざまな価値観や、自分にない視点に気付くことができる良い機会になるからです。例えば、日常生活は職場と家との往復ばかりで、人付き合いは職場の組織の中と家族、という行動も人間関係もほぼ決まっている生活では、価値観が固定化してしまいがちです。物事の判断基準も偏ってくるでしょう。さらに、職場や家庭の役割や人間関係がうまくいっているうちは、特に問題は起こりませんが、今後もうまくいく保証はどこにもありません。そういうときのためにも、自分を支えてくれる仲間、居場所を積極的に作っておいた方がよいのです。

「同じパターンにはまらない」「同じパターンから抜け出して、新しい出会いを求める」ことを、ぜひ習慣にしてみてください。新しい出会いや場所は、不安やストレスに悩む時間をリフレッシュして、非日常を楽しむ時間に変えてくれるでしょう。いつもと違う場所や新しい経験・視点を得て、嫌なパターンから抜け出しましょう。

⑥反芻思考を先送りする「ウォーリー・リダクション」

「ウォーリー」は「worry/心配」、「リダクション」は「reduction/縮小、減らすこと」という意味です。悩むための時間を決めて、それ以外は悩まないことにする、というものです。例えば、毎晩8時から15分間を集中して悩むための時間にします。昼間、「ネガティブなことを繰り返し考えているな」と気が付いたら、「夜にゆっくり悩む時間があるから、今は目の前のことに集中しよう」と反芻思考を一旦止めるのです。これは、時間の浪費防止や心の休息、感情のコントロールにつながります。ただし、夜寝る前や、朝起きてすぐの時間帯は避けましょう。寝る直前に考えると睡眠の質が低下し、朝起きてすぐの時間帯だと、すっきりとした朝が迎えられないからです。

⑦視野を大きく持つ

何か嫌なことがあって、それにとらわれてつい考えすぎてしまいそうな時、自分にこう問いかけます。「これは数年後も重要だろうか」、「自分が死ぬ寸前も、これについて考えていたいだろうか」もし、将来に影響しないような問題でないなら、さっさと忘れるに限ります。人間には、誰しも1日24時間しかありません。本当に大切なことに時間を割くためにも、嫌なことはすぐに忘れましょう。将来にわたって長く影響することなのであれば、その経験から何を学び取れるのかを考えましょう。ネガティブな経験からも学んで自己の成長につなげることで、幸福度を高めることが可能です(心理学で「外傷後成長」と呼ばれます)。

⑧自然と触れ合う

反芻思考を止める方法として、自然と触れ合うことがあります。「木々に囲まれた自然豊かな環境の中を歩く」という、スタンフォード大学の研究チームが行った実験では、反芻思考やネガティブな思考などのストレスが一気に減るということが分かりました。また、もともと人は、自然に囲まれているほどメンタルが安定しやすい傾向があり、都市部での統合失調症や不安障害の発症率は、田舎よりも56%高いことが分かっています。そのため、都市部のウォーキングと自然の中でのウォーキングとでは、わずか90分のウォーキングでも環境の影響が大きく、自然豊かな環境でウォーキングしたグループでは、都市でウォーキングしたグループに比べ、反芻思考回数が減ることが明らかになりました。

⑨自分の良いところに視点を向ける

「自分はなんてダメなんだろう」という、自己否定の反芻思考を繰り返す癖のある人に有効です。自分の欠点に気が付くことは大事ですが、どんな人にも、長所と短所があります。自分の悪い部分だけに視点を向けず、些細な事でもいいので自分を褒めて、自己肯定感・自尊心を高め、自分を好きになりましょう。身近な友人や先生、あるいは家族が、欠点にばかり目を留める人だと、良いところは無視されて、欠点ばかりが指摘されてしまうことがあります。自分を責めたり、自分の価値を下げるようなことは絶対にすべきでないし、それに同調する必要もありません。自分自身の良いところは自分で気付いて褒めてあげる習慣にしましょう。

⑩新しいことに挑戦する

何か新しいことに挑戦する時、「失敗したらどうしよう」「不安だなぁ」「面倒だ」などと、憂鬱な気持ちになる人は多いのでは?しかしこんな時ほど、成長のチャンスなのです。何かを始める時、憂鬱になってしまうのは、状況の変化が怖いから。特に、大人になればなるほど、変化を恐れてしまいがちです。今のステージから次のステージに飛び込むことは、わくわくすることですが、同時に不安や恐怖もあります。でも、何も挑戦していなければ、不安な気持ちすら生まれることはありません。不安だと感じる時こそ、自分が成長している時間だと理解することから始めましょう。また、新しいことに挑戦する時、その結果や成果をすぐに手にしようと思ってもダメです。すぐに結果や成果を得ようとすると、焦りや不安な気持ちだけが、先走ってしまいどんどん自分を追い込んでしまいます。新しいことへの挑戦があまりにも、プレッシャーで負担に感じてしまう場合は、その大きな挑戦を達成するための、小さな目標を立てましょう。小さな目標を一つ一つこなすことで、自分への自信にも繋がります。結果をすぐに手に入れようとせず、長期的な視点で挑戦へと挑みましょう。すぐに結果や成果を得ることができないことも、挑戦の醍醐味。高い壁を乗り越えた分、自分がさらに成長しているはずです。

4.反芻思考してしまう人へおすすめの本

①マインドフルネスストレス低減法

マインドフルネスストレス低減法

マインドフルネスストレス低減法

 

②ブレイン・マネジメント

 ③ストレスフリー超大全

 ④いやな気分よさようなら

いやな気分よ、さようなら コンパクト版

いやな気分よ、さようなら コンパクト版

 

⑤ DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール